行ってきました。チベもの界で噂になっている名古屋のチベット寺!
自ら”名古屋のチベット”と呼んでチベット祭りまで催してしまう名古屋市守山区の岡の上にそれはあって、春日井方面から河を渡って右折。車で坂道を登っていると突然それは現れました。
お~これは想像以上にすごい出来です!
早速石段を高山病で息を切らせながら(笑)登ると門にたどりつきました。
そのチベット式の非常に立派な門の左右には大マニがあってなかなか雰囲気でてます。
そしてこの重いマニ車を早速ゆっくり回してみると、”チーン・・・”と鳴らないのでちょっと拍子抜け。やっぱりあの鐘の音が無いと回した気がしない。

そして本堂入り口の左右には中国風の四天王?があって多少違和感を感じたけど、北京の雍和宮とか白塔もこんな感じだったと無理やり納得させた。そしてその前には、七夕らしく笹とたくさんの短冊が・・・?さ、笹?ま、まあチベットのパンダは食べるからいいか・・・。(汗)
さらにそこに掛かってる短冊の1枚を見ると”商売繁盛、○○小児科”・・・やっぱりなんか間違ってないか?
気を取り直して、中に入ると広さは本物のジョカンと比べたら小さいものの真ん中には僧侶達が座る長いマットみたいなのはいっぱいあるし、回りには立派な壁画もちゃんとあって造りはチベットのゴンパそのもの。でもなんか物足りないと思ったらバター臭くないことに気がついた。
そしてメインのご本尊であるシャカムニ像は確かにジョカンにあるものと同じような大きさ、形で雰囲気は出てました。ただ”頭をごっつんこ”させてもらえそうになかったのが残念・・・。(内部は撮影禁止だったので、写真はラサのジョカンにある本物のシャカムニ像です。)

とにかくここに来た率直な感想を言えば、このお寺の出来は素晴らしいのに犬山リトルワールドのゴンパと同じようなテーマパークっぽい空虚感を感じました。
それは何故だろうと考えてみたらそれは、チベットの僧侶がいないせいだと思います。仏作って魂入れず。やっぱり仏・法・僧の1セット揃って仏教なんだから僧侶がいなきゃ本物にはならんでしょう。
まあ話では今、常駐するチベット僧を探しているもののなかなか中国の許可が下りなくて困っているそうなので今後に期待しましょう。
さてこのゴンパを建立した住職のことを書こうと思ったのですが、実際にどう書けばいいか迷ったので思ったまま書きます。
実際、ホームページでは”世界初!チベット仏教外国人受戒者”と書いてあり、多くのチベもの達を敵に回してしまった感はあったのですが彼女の著書を読んでなんとなく意味がわかりました。
これは正確に言うと”中国認定”世界初!チベット仏教外国人受戒者という意味になるようです。つまりチベットが中華人民共和国に取り込まれてしまって初めての公的な外国人チベット僧だということです。
おそらく歴史的には世界初のチベット仏教外国人受戒者は、非公式には明治末期にチベットに入った河口慧海だと思いますが彼は日本人であることを隠していたので、公式には大正時代にチベット入りしてゲシェー(博士)の位まで得た多田等観でしょう。(間違ってたら突っ込みよろしゅう)
ぶっちゃけ、彼女は自ら中国政府にかけあってチベットでの修行を認めてもらったり、チベットに学校を作ったり、ついにはこんな立派なチベット寺まで建ててある意味すごい人だと思わせる反面、世界初といううたい文句だとか、著書での色んな突っ込みどころだとか(のっけから”ジョカンはチベット仏教のメッカ”という文字にのけぞった)、なんだかいろいろ損してるなあ~。というのが率直な感想です。
まあ実際にはこのお寺に行ってみて特に怪しい感じも無かったし、無料だし、スタッフも親切にしてくれたし、なので皆さんも安心して(笑)行ってみて下さい。後は各自の判断にお任せします。(写真はゴンパ上のチョルテンから見える名古屋市街。夜景がきれいかも?)
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